手塚治虫物語(1990年放送・古谷一行主演)を見たよ2

2018/10/21 日曜日 - 22:30:12

好きなものを好きだと、面白いものを面白いと説明するのは難しい。
ストーリーが好き、役者さんが好き、音楽が好き、演出が好き、なんだかわからんけど好き。好みは人それぞれで、自分が面白いと思うものも他人は面白くないと思うこともあるし、その逆もある。結局は、その人の好み次第ということなのか。
古谷一行の手塚治虫物語が面白かったので、前記事の続きを書きます。続きというのはちょっとおかしくて、前記事は放送後28年目にして初めて気づいたことを書いたもので、これから書くことこそが28年前に抱いた感想だ。

それにしても今年の日テレ24時間テレビはどうして「石ノ森章太郎物語」だったんだろう。石ノ森章太郎といえば、TBS(昭和ライダー&HOTEL)かテレ朝(戦隊ヒーロー&平成ライダー)が扱ったほうが胸熱だったのでは。フジテレビの不思議実写シリーズも原作は石ノ森章太郎だったような。あー、テレ朝は藤子不二雄かー。ドラえもんにパーマン、ハットリくん、オバQ、エスパー魔美、チンプイ等々。

他のテレビ局に引き替え、日テレと石ノ森章太郎の繋がりは無いように思う。それに今年は手塚治虫生誕90周年だし、24時間テレビの初期は手塚アニメを放送していて縁も深いだろうし。フジテレビの手塚治虫ドラマから5年経っているし、改めて手塚治虫物語に取り組んでもよかったかも。

ところでフジテレビの手塚治虫ドラマは現代のいまどき編集者がタイムスリップするというトンデモ設定でう~~~~~~~ん。現代人を手塚治虫時代に引っ張り込むための導入だともいえるけど、それなら時代劇は全部タイムスリップものになってしまう。いっそNHKタイムスクープハンター方式にしちゃった方が割り切れて見られたのでは。もしくはタイムスリップものの手塚作品があって、それをなぞらえたものならば面白い導入になったかもしれない。
ドラマはフィクションだからなんでもありだが、興ざめさせてしまうのは本末転倒。

古谷一行の手塚治虫物語もフィクション。現実にはありえないことがおこる。

物語の序盤、手塚が『ジャングル大帝』を出版社にもちこむが、どこにいっても断られ、公園のベンチでパンを食べながら「やっぱり無理か……」と諦めかけると

「そんなことはないよ。しっかりしてくれよ」

『ジャングル大帝』の原稿を入れた鞄から出てきたのはレオ。手塚はレオに励まされて


手塚「じゃあ、もう1社、行ってみようか」

行った先は学童社。これからの漫画雑誌にはストーリー漫画が必要だと『ジャングル大帝』の連載が決まった。
アトムが登場するのは手塚の結婚後。相変わらず多忙で夜を徹して原稿を描きつつ流行りの劇画を気にしていた時期。


「(劇画なんかに)負けるわけないだろ。アトムの力は10万馬力。ガチャボイの漫画は永遠さ」
(ガチャボイは手塚治虫の子どもの頃のあだ名)

鉄腕アトムのTVアニメ制作中には多忙で家に帰れない手塚に代わり家族の様子を見に行ったり。

漫画のキャラクターが現実の世界で動いて話しかけるなんてありえない。でも、これはドラマだ。ドラマが始まって早々にレオを出すことで漫画家のドラマならではの空気感ができた。レオもアトムも音楽がキャラクター登場用の曲に変わるので、目と耳の両方で幻想を受け入れるバランスが整う。
レオもアトムも落ち込んでいる手塚を励ましている。ドラマとしてあるべくして登場している。だから現実でなくても説得力がある。漫画家のドラマ化なのだから、キャラクターが出たっておかしくないでしょと思う。
おかしくないどころか、これぞフィクションの力だ。

他に記憶に強く残っていたのは虫プロ倒産後。
倒産前には立派な家に住んでいたが

借金の清算で家を手放し、借家のような佇まい。

縁側で手塚治虫が漫画を描いている。

どんなときにも漫画を描く変わらぬ姿。
変わったのは買い物から帰ってきた娘2人に「おかえり、早かったね」と声をかけることができる状況。仕事場を外に設ける余裕の無さがせつなくなったり。

原稿はブラックジャックで、このあと手塚治虫は復活し手塚治虫ブームが再び訪れた。
ドラマは手塚治虫の死去を報ずる新聞で締めくくり、エンディングへ
 
 

ねえ、このよにうまれて


さいしょのあさに、なにがみえたの?

歌とともに手塚作品が流れていく。
ヒョウタンツギのあとに手塚治虫の自画像。すべての作品の生みの親。

胸がいっぱいで、もうなにも言えない。


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