何度でもカマボコ事件を語る
2016/7/3 日曜日 - 0:46:32 タグ: ありがとう第2シリーズ
まだまだしつこくカマボコ事件について。何度でも語りますよ。
『ありがとう』第2シリーズのカマボコ事件って本当に素晴らしいエピソードですね(第31回と第32回)。
なんといっても
どうして新だけにカマボコをあげたのか虎先生自身がわかってない!
新を好きなのは自覚しているにも関わらずですよ。
自分の恋心に気づかなくて、好きな相手を特別扱いしたことを友人等に指摘されて、
Σ( ̄□ ̄||)俺はあの子が好きだったんだ!
って気づくパターンはわりと多いと思うんです。
でも虎先生はわかってるんです。新くんを好きだと自覚してるんです。
「ハッキリしてるんだよ。俺にはその気があるが、向こうにその気がないんだから」
他人から「古山くんが好きなんだろー?」なんて指摘されるまでもない。子どもの頃から好きだったのは伊達じゃないぜ。
ただ最近、自分が想うほど想われてない。新くんは僕のことを好きじゃないみたいだと落ち込んでいただけ。
「じゃあなぜ未練たらしくカマボコを届けたりしたんだい?」
「俺にもよくわからんなあ」
俺にもよくわからん。これが真相。
突き詰めれば「好きだから」なのでしょうが、虎先生の行動は恋の意識レベルを突き抜けたところにある。
だから、龍之介先生の追及に対してもトンチンカンな答えを返してしまう。
龍「なんでそんな中途半端なことをしたんだよ。古山君だけにカマボコやって他の人にやらないなんて」
虎「だってさあ、こんな騒ぎになるとは思ってなかったんだよ」
龍「どうせ買ってくるならみんなに買ってくればいいじゃないか。おまえお金なかったのか」
虎「いや、どこもかしこも店が閉まってたんだよ。で、ドライブインにたった1個しかなかったからね」
龍「1個?」
虎「ああ」
龍「するとおまえ、うちにも買ってこなかったのか」
虎「え……だって、誰も食べないだろ、うちは」
太「食べるよ、僕。カマボコ大好き。おじいちゃんだって好きだよ」
虎「ああ、そうだったね。でもあの、1つしかなかったんだから」
龍「1つしかないカマボコを古山君にあげたのか?」
虎「誰にやったっていいじゃないか」
龍「帰りに公園かどこかで古山君に会ったのか」
虎「いや」
龍「じゃあ、いつあげたんだ?」
虎「ゆうべだよ」
龍「わざわざアパートまで行ったのか」
虎「うん」
龍「起きてたのか?」
虎「寝てたよ。だからそのドアのところにぶら下げてきたんだよ」
ホントにね、虎先生の支離滅裂さにはツッコミどころ満載ですよね。
「するとおまえ、うちにも買ってこなかったのか」
当たり前ですが龍之介先生はカマボコを惜しんでいるわけではない。うちにも買わないくせに、古山くんにあげるという虎先生の中での優先順位のおかしさを指摘しているわけで。虎先生の気持ちを知らない龍之介先生にとっては、古山くんも職員の1人でしかないわけですから。
虎先生は「うちは誰も食べないから」と言い訳してもマー坊に速攻で論破される。
きっと虎先生、家のことなんか全然考えてなかっただろ。たった1個のカマボコを見つけた瞬間「新くんにお土産あげよう」になったのは容易に想像つく。院長先生の水ようかんを「水ようかん食べるかい?これ持ってけば?丁度ふたつあるから」ってあげちゃうんだから。
院長先生はカマボコも好きらしいのに、水ようかんに引き続き食べ損ねてしまった。またしても新くんの前に敗れ去ったのだ。新くんからは半熟卵で差をつけられてるし、虎先生は「親父より女房が大事」と即答するし、院長先生……(´;ω;`)
虎先生の「1つしかなかったんだから」って論理は、「どうして古山くんにだけあげたんだ?」の答えになってないw
虎先生としてはとにかく新くんにあげるが揺るぎない答えなんだろうけど。
このあとも龍之介先生は「どうして古山くんにカマボコをあげたのか」を尋ねているのに、虎先生は「どうやって新くんにカマボコをあげたのか」を答えていて、WHYにHOWで答えるチグハグさが面白くてしかたない。
「起きてたのか?」
「寝てたよ。だからそのドアのところにぶら下げてきたんだよ」
きいてない。誰もそんなことはきいてない。
龍之介先生は「寝ているのに、どうやって渡したんだ?」と質問しているんじゃないのにw
ひとつしかないカマボコを「誰にやったっていいじゃないか」と虎先生が言うから、古山くんにあげる理由を追及しただけだ。
最初に会ったのが古山くんだったから古山くんにあげたのならわかる。だが違うという。わざわざアパートまで行ったという。龍之介先生は心配して起きて待ってたんだぞ。
アパートで起きていたのが古山くんだけだったというなら、わかってやってもいい。だが違うという。ドアノブにさげてまで昨夜中に渡したかったのか。
まるで意味が判らない!!
「変だよ、虎兄さん。どうして古山さんにだけあげたんだよ」
マー坊の容赦ないツッコミで振り出しに戻ってしまった。
虎先生は、何が何でも新くんにカマボコをあげたかったと説明しているだけだもの。
スッと身を固くする虎先生。表情の変化や動きが細かい。一瞬たりとも見逃せません。
7才の子どもでも変だと思うのに、虎先生だけが変だとは思ってない。楽しすぎるw
新くんにあげたかっただけだもんなあ。
カマボコをさげて
一礼して
表札を見上げて
帰り際も振り返る
これを無意識にやっちゃうんだから、虎先生には新くんしか見えてないんだわ。
「カマボコどうもありがとうございました」
新くんにお礼をいわれてデッレデレのグニャグニャの虎先生。
新くんにだけカマボコをあげたのもマズイけど、他人(しかも水戸さん)の前で、このデレデレイチャイチャは酷いわー。気遣いゼロだわー。虎先生はマジもんの天然だわー。
新にカマボコをあげたかったからあげる。自分がどう想われているかも関係ない。虎先生の新への一途さは『ありがとう』の屋台骨になっているのだと思います。それが凝縮されたエピソードがカマボコ事件。面白いに決まってる。
<おまけ>
いままで虎先生が新にあげた場面を振り返ろうとしたら、初っ端の蒸かしたジャガイモで新発見。
このとき虎先生は些細なことから新に口もきいてもらえない事態になっていて、千葉姉弟からのお呼ばれにも新は来なかった。
「姉さん誘わなかったのか?」
「お誘いしたんだけどね、(友さんが)病気あがりだからって」
このとき、虎先生が最初はバツの悪そうな表情をしているんだけど、「病気あがり」ときいた後に細かく頷いている。
自分を嫌って来なかったわけじゃないってホッとしているように見えた。
ホント、虎先生の一挙手一投足から目を離せない!!